2023年公開レッスン

2023年3月10日(金) ドルチェ・アートホール Osaka(大阪) 

エマニュエル・パユ 公開マスタークラス

 

2023年3月10日金曜日 11:30 ちらし 
 

会場:ドルチェ・アートホール Osaka(大阪)
 
一般 4,000円、DMC会員一般 3,000円、DMC会員学生 2,500円
 
受講生
村田 泰葉(大阪芸術大学卒業)
S.カーク=エラート: ソナタ アパッショナータ Op.140
 

中川 華(大阪音楽大学卒業)
W.A.モーツァルト: フルート協奏曲第2番 ニ長調 K.314
--
 
 パユがレッスン中に演奏していたフルートは、パウエルのエレガントモデル14K。レッスンは、フランス語。
 
S.カーク=エラート: ソナタ アパッショナータ Op.140
 
 朝のエネルギーに満ちた演奏。足の確認をしてから演奏を始めたのが良かった。
 
 表情は、音の長さで表現すること。冒頭の16分音符、4分音符は、4分音符が長ければ長いほど、旋律を届けられる。
 
 2ページ目のpも、切るとメロディーが聞こえない。
 
 1ページ目は、fが多い。2ページ目は、pが多い。2ページ目のfでエキサイトしないこと。
 
29小節のp(ララ)~
 ブレスによって、フレーズが切れている。録音して客観的に聞く。自分では情熱的なブレスをしているつもりが、実際にはフレーズを壊していることがある。fが強すぎる。(31小節)テンポが書かれていないところで、遅くなることに気をつける。
 
冒頭に戻って
 4分音符は長さの中にも力強さを保つ。ブレスの音が聞こえすぎる。ブレスの時、下におろす。
 
 5小節は、新しいキャラクター。テンポ通りに。つまり、その前は違う。
 11小節のaufgeregtの意味は、固定して吹かない。つまり、その前は、テンポ通りに。
 いつも対比。
 
 14小節(16分音符)のfは、極限まで吹かないこと。上も下も極限まで吹くのはやりすぎ。
 
26小節
 nach und nach~、8分音符は、ちょっとずつ遅く。25小節までは速く。
29小節
 休符の前のラで、ホイッスルトーンが出ている。出さないように。くちびるでディミニエンドする時、ホイッスルトーンが出る。
 
 暗譜をする時には、音を覚えるだけではなく、ニュアンス、大きさなどすべてを覚えないといけない。
 
 49小節(32分音符、8分音符)は、8分音符のメロディーラインを出すために、32分音符は欠けてもいいので、もっと速く吹く。音が雲になってなくなる感じで。でも、48小節の16分音符は、明確に吹く。
 
 53小節は、適切な音の長さを探す。
 
 楽器を自分の方に持ってくる。肩の上に首をのせる。首を前に出さない。
 
 54小節のレガートは、息が糸のように。
 
 無伴奏曲なので、長さを使う。響きを自分でつくる。
 
 57小節は、ふたつめのレガートにクレッシェンドがついている。ppからは離れないこと。ミステリアスな中に。
 
 61小節のソ。首は肩の上にのっかっている状態だと、息のコントロールがしやすい。あごを前に出すと、首がつまり、コントロールが難しくなる。
 
 62小節は、ただのf。乱暴にならないよう。
 63小節のmfで、音楽が現実味をおびてくる。mfでくぐもらせない。手ごたえが欲しい。こわごわしない。
 
 あなたは、表現したい人で、fを見るとエキサイトしてしまう。音楽の表現をいつどれくらいするかを考えること。
 
 68小節は、レガートだけれど、舌を使うこと。
 
 キャラクターとダイナミクスは違う。fがかたくないことも、pがやわらかくないこともある。
 教則本のタンギングは基本。あまたのタンギングで、音楽の旅に出られる。
 
 低音と中音がうまくいってない。ライヒャルトの4番の練習がいい。私は、これを毎日している。
 
W.A.モーツァルト: フルート協奏曲第2番 ニ長調 K.314
 
 フルートが入るところは、弾みがあることが大切。協奏曲なので、もっと主導権をもってもいい。ボスになること。始めるのを間違えたくらいの気持ち、即興の感じで。ここは、オーケストラがテーマ。フルートは違うことを、自発的に提案する。
 
 33小節からのレが長いところは、ビブラートをかけない。ここで、ビブラートをかけると、表現をこれ以上広げられないから。
 
 37小節、38小節(ララシソラ)のラは、同じように吹かない。
 
 頭が前に出ると、音がうすっぺらくなる。音の厚み、響きの幅がなくなる。
 
 トリルはいつも上から。
 
 46小節は、エネルギーが上に向かって出ていくイメージ。
 
 音楽のアイデアさえも、姿勢を正すことから出る。
 
 トリルは、全部の指を動かしているようなイメージ。赤ちゃんが物をつかむように。
 


---