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演奏家がツイッターを使う入門編

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 プロのバスケットボールチームが、どのようにファンを増やしたかを書いた本「ファンをつくる力」を読みました。SNSの使い分けが具体的に書いてあります。他の業界にもヒントになる話が満載です。

 

 そこで、クラシックの演奏家の方が、ツイッターを使う時のことを、ファン(客)の目から感じたことを、書きます。ツイッターは、SNSの中では、もっとも拡散力があります。

 

名前の読み方を書きましょう

 今は、キラキラネームが多いのか、名前の漢字を見ても、読み方が分からない人がけっこういます。今まで生きてきて、自分の名前が読まれにくい人は、自分で分かっていると思いますので、そういう方は特に、名前の読み方を書きましょう。ふりがなは、ひらがなでも、カタカナでも、アルファベットでもいいです。

 

 名前の読み方が分からないということは、話せないということで、口コミがまったく効かなくなります。2001年に、「パユを何で知りましたか」というアンケートをとったことがあります。3割が口コミでした。口コミがないと、知る人が3割減るということで、これはかなり怖い数字です。

 

どの楽器の演奏者か表示しましょう

 ツイッターは、ひとりだけのものを見ているわけではなく、たくさんの人のを見ています。私も、知らない演奏家は多いので、何かいろいろとツイートしていますが、どの楽器の演奏者か分からないことがけっこうあります。

 

 ツイッターのアイコン写真で、持てる楽器なら、楽器を持っての写真が必要です。ピアノは持てないので、工夫が必要ですが。概要文に、楽器名を入れるのは必須です。

 

日付、場所の明記は、必要です

 コンサートをするとして、その宣伝ツイートをするとします。「今日から私のコンサートのチケット販売が始まります」とだけツイートして、コンサート情報のURLをリンクしているだけの人がけっこういます。

 

 URLのクリック率は、そんなに高くありません。インプレッション(見た人の数)のうち、5%の人がクリックしたら、かなり高いクリック率です。実際には、ほとんどの場合、もっと低いです。つまり、大半の人は、リンクをクリックしません。

 

 ですから、ツイート本文で、「何月何日何曜日、どこのホールで、どんなコンサートがある」の明記が必要です。客側からすると、何曜日のコンサートなのかが、行くかどうかのかなりの決め手になります。何曜日かが大切です。

 

 それから、ツイートで、「今日」と書く人がけっこう多いですが、見る人が、当日そのツイートを読むとは限りません。ですから、数字が必要です。「今日(7/16)」という感じです。

 

 あとは、ホール名だけ書いていて、どこの都道府県なのか分からないことも、多いです。サントリーホールなら、東京とパッと分かりますが、都道府県の表記は、必須です。基本は、ホールに近い人しか行きませんので。

 

演奏動画は必須

 演奏動画がなく、コンサートの告知をする人が多いですが、演奏を聴いたことがなく、お金を払ってコンサートに行くのは、客側からすると、ばくちです。博打を打つ人は、まずいません。

 

 YouTubeがない時代なら、私も「今回のコンサートははずれだったな」と思ったことはありましたが、今は、動画を出せる時代なので、演奏動画を前もって見ずに、お金を払ってコンサートに行くことはありません。

 

 YouTubeチャンネルを作るのは無料ですし、スマホで簡単に動画撮影出来て、動画のツイートもできます。演奏動画は、30秒でもいいので、必要です。

 

 フルートの場合、フルーティストの演奏を聴いたことがあれば、ピアニストを知らなくてもフルートとピアノのリサイタルに、私はお金を払えますが、木管五重奏やフルート4本になると、前もって演奏動画を見ないと、私は買えません。

 

申し込み方法がもっとも大切

 演奏動画も見て、そのコンサートに行こうと思ったとします。でも、申し込み方法をツイートしていないのが、すごく多いです。どういう風に、申し込みしてもらうつもりでしょうか。

 

 オンラインで申し込みできるのが、一番いいです。ツイートを見ているということは、インターネットにつないでいるからです。申し込みのURLをツイートすることです。

 

 「お願いします」だけ書いて、こちらは、「一体どうやって申し込むのか」と思うことは多いです。ぴあやeplusもありますし、ホール独自でも売っているところもあって、今はチケット販売方法が多すぎて、明記してもらわないと、こちらが調べないといけません。調べる人は、ほとんどいません。申し込み方法を書いてなかったら、申し込まないということです。

 

 ツイートは、1つのツイートで完結するのが基本ですので、毎回のツイートに、申し込み方法が必要です。

 

コンサート後は

 コンサートで、話ができるなら、お客さんに、「#(ハッシュタグ)何々をつけて、または演奏者名を書いて、コンサートの感想ツイートをお願いします。拝見します」と言った方がいいです。

 

 「拝見します」と言っておかないと、悪いことをツイートされると困りますので。こう言ったかぎりは、感想ツイートに、いいねした方がいいです。何も言わなくても、感想ツイートがバンバンされるならいいですが、新人では、言わないと難しいと思います。

 

 あとは、コンサート後に、来てくれたお客さんに、お礼のツイートをすることです。

 

何もネタがない時は

 以上、コンサートをする時のことを、書きましたが、たぶん、ツイートのネタがない時の方が多いです。その時どうするかの方が、重要かもしれません。

 

 私も、毎日パユの話題があるわけではありません。その時は、フルートの話題、クラシック音楽の話題をと決めています。

 

 演奏家である以上、音楽を聴いてもらうためのツイートが必要ですので、食べ物とか政治とか、音楽とは関係ないことをツイートしても、演奏を聴こうと思う人は、増えないと思います。

 

 とはいえ、私は、音楽から、足を半歩外に出すツイートも、したいな、と思っています。

 

 例えば、小説にクラシック音楽が出てきたら、その本についてツイートするなどです。本のことを書いたら、出版社や著者さんが、いいねしてくれることは多いです。ツイッターは、検索ができますので、その本のファンの人が検索して、演奏家を知ってくれるきっかけになる可能性があるからです。

 

 お金を出してコンサートに行くのは、知っている、聞いたことがある演奏家、というのが基本です。だから、名前を知ってもらう、覚えてもらうのが、重要です。

 

 知っている人を増やすための工夫が必要になります。そうでないと、お釈迦様の手のひらの上をぐるぐると回っている孫悟空のようになってしまいます。

 

 毎日ツイートするのは、難しさもありますが、内容のあるツイートをすれば、それだけの効果はある、と感じています。

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