2022年公開レッスン

2022年10月4日(火) ドルチェ・アートホール Osaka(大阪)

エマニュエル・パユ 公開マスタークラス
 
2022年10月4日火曜日 14:00  情報源

 

会場:ドルチェ・アートホール Osaka(大阪)
 
【LIVE入場チケット】
一般4,000円、 DMC会員(大人)3,000円、 DMC会員(学生)2,500円

Web視聴チケット
2,750円
 
受講生
梅津香音(大阪教育大学卒業)
J.S.バッハ: 無伴奏パルティータ イ短調

成 希蘭(相愛大学特別奨学3回生)
J.ドゥメルスマン: 「オベロン」によるグランドファンタジー op.52
 


 
【2022年11月12日追記】
J.S.バッハ: 無伴奏パルティータ イ短調
 
 フルートは、一度に一音しか出ないが、バッハの曲は、和声があって、メロディーがある。ソノリテにたよらない。フルサウンドで吹こうとしていると、4つの楽章すべてが同じに聞こえる。4つが違うダンス。第1楽章は、真珠のつらなり。
 
 第3楽章のサラバンドは、ゆっくりなダンスなので、フルートが歌うのに適している。第3楽章以外は、ダンスの方向を探す。
 
 第2、4楽章は、裏拍がはねる曲。第1楽章のアルマンドは、無伴奏チェロ組曲のプレリュードに似ている。
 
[第1楽章]
 音で表現豊かにではなく、冷たく演奏した方がいい。1段で2回もブレスするのは、努力しすぎ。2時間のプログラムの中の10分なので、疲れずにコントロールすることが大切。4小節の頭の後でブレス。
 
 自然なダイナミクスにあらがわない。無伴奏曲は、ピアノとあわせなくていいので、pはもっと、Fももっとできる。しなやかさと軽さをそなえて。
 
 バロックフルートは、レが最低音。形は、足部管が細い。低音は出ないようにできていた。
 
 C-durは、太陽が出たように明るく。ベーで雲がかかってきて、底にいたる。
 
 アーティキュレーションについて。スラーをつけると、音が豊かに長く強調されて聞こえる。スラーは、旋律上、ハーモニー上で意味があるところでつける。
 
 ブレスは、解決した音の後で、吸った方がいい。
 
[第2楽章]
 フルートの自然さを大切に。高い音になると大きくなり、低い音になると小さくなる。そういう時代の楽器のために書いた。低音を力強く吹く必要はない。低音はぬいていく。響いたら手放す。
 
 ゆっくり吹いて、内声の進行にそって、音のボリュームを変える練習をしてみるのも面白い。
 
 Correnteは、新幹線のように速い。
 9小節目、フレーズが下がっていく頂点にスラーをつける。
 10小節目は、かけわたしの小節。12小節目から後半戦。時間をとって始める。
 17小節目のレ#は、すごい驚き。
 
 無伴奏曲は、即興性をひとりで自由に作れる。
 スラーの1拍目は、ダンスの1拍目。システマチックにならない。
 
 バロック時代は、低音、中音、高音は均等にならない。
 
 19小節目、提案、提案の発展、ヴァリエーションがついている時、2回目は、1回目より激しく。
 23小節目のファが大切。
 25小節、跳躍は幅広く、演奏すること。弦楽器の弦を3回弾き直すイメージで。
 
 エネルギー、ダンス、しなやかさが、凝縮してあらわれる。エレガンドさ、息の速さ、指、すべてが難しい。
 
 バッハは、この曲までは、フルートの曲を作曲したことがなかった。バッハは元々キーボード奏者。だから、この曲の楽譜にはブレスマークがない。いつもブレスの問題がある。セオリーは、フレーズが終わった後にブレスする。小節線1拍目の後。
 
 今まで、私はありとあらゆることを試してきた。私は、毎回変えて演奏している。曲を理解することが大切。
 
[第3楽章]
 長い音をキープしている時、息の動きが大切。どこに行きたいかを決める。
 
 2小節目、ファ~ミで、ミは解決音であると同時に、3小節目のアウフタクトでもある。どちらにするか。ふたつをまぜてみる。
 
 第3楽章は、やわらかくはじめる。C-durで音が開いてくる。
 
 ヴィブラートの注意。楽器の中でヴィブラートしているイメージ。ジェームズ・ボンドのカクテル。シェイクするのではなく、ミックス。
 
 15小節目、ミが重なるどちらかに装飾音を足したらいい。バッハの音楽に装飾音を足してもいい。
 
 どのフレーズも、ソフトではなく、やさしさをこめて。
 
[第4楽章]
 上の音がメロディーをつくる。裏拍がメロディー。
 
 ひとつひとつしっかりと吹くと、オートマチックに聞こえる。大切な音を見つけることが重要。その大切な音によって、小さなフレーズを見つけていく。
 
 ブーレアングレーズは、裏拍が強拍。
 
 すべての楽章がミから始まる。キャラクターの変化が大切。

 
J.ドゥメルスマン: 「オベロン」によるグランドファンタジー op.52
 
 私はこの曲を初めて聞いた。オペラのオリジナルは知っている。
 
 まじめなfが聞こえる。ファンタジーだから、演奏のよろこび、笑顔、エスプリを。
 
 最初からヴィブラートが多すぎる。始めからすぐにドラマチックに吹かれると、聞き手は引いてしまう。
 
 開いた音を放っておけば、そのままfになる。
 
 pppからfffまで、9段階ある。最初は、pp。下から3番目。地震なら気付かない程度。
 
 mp→mfはやりすぎない。筋力でやったるで、ではなく、ホールに開いていく。
 
 42小節目は、幅を広く歌う。まっすぐ吹くと、まじめに聞こえる。
 
 64分音符は、マジックショーで出てきたイリュージョンのような感じ。
 
 大きな音を出したかったら、幅広く音の幅を利用して、前に出すのではなく。
  
 (56)の8小節後。ピアノを聞いて。ピアノと8分音符の流れがつながることが大切。
 
 シューベルト、シューマン、ウェーバーの曲で、小説の頭にアクセントがある時は、小節ごとにディミニエンドするという意味。
 
 楽譜に書いてある通りにすると、色彩感につながる。
 
 新体操のリボンのようなしなやかさプラスチャーミングさ。
 
 4回出てきたのが同じに聞こえたので、変化をつける。ppを聞かせたいなら、前の音の残響を切るために、間をあける。新しいしなやかさを作る。ネコの肉球。
 
[カデンツ]
 長い音も生き生きと。客を見ながら歌っているように。歌手は、楽器奏者の上に役者を演じている。
 
 音が下る時に、あごを戻さないと、コントロールを逸する。
 
[ファイナル]
 アクセントをつけると重く、輝きが失われる。高音は、自然に大きな音が出る。
 
 長いスラーの中のアクセントは、ラを使う。