パユのコンサート訪問記

2002年

11月19日のコンサート 11月18日の公開レッスン
11月16日の公開レッスン 11月15日のコンサート

2002年11月19日(火)19:00  会場:愛知県芸術劇場コンサートホール 共演:エリック・ル・サージュ(ピアノ)
プログラム ・シューマン:子供の情景op.15
・バッハ:無伴奏フルートのためのパルティータイ短調BWV1013
・ホリガー:無伴奏フルートのためのソナタ
・ボリング:フルートとピアノのための組曲より
・シュルホフ:フルートソナタ
・マルティヌー:フルートソナタ
・リーバーマン:フルートソナタ
アンコール
シューマン:3つのロマンスより第2曲

 
 1曲目はル・サージュさんのソロです。ル・サージュさんの演奏している時の表情を集中して見ていたのは今回がはじめてでした。良かったです。

 バッハとホリガーの無伴奏フルートは、1曲ずつ交互に演奏されました。1曲ごとにこちらの楽譜をパタン、あちらの楽譜をパタンとめくっていらっしゃいました。音響が素晴らしいホールですので、響いているのがよく分かりました。素敵でした。

 ボリングの曲は、今まで組曲第1番のIrlandaiseとVeloceしか聴いたことがありませんでしたので、かわいらしい雰囲気の曲、かっこいい感じの曲というイメージがありましたが、今回聴いたはじめの2曲は、ロマンチックな雰囲気でとても気に入りました。おふたりの演奏でボリングの組曲全曲を聴いてみたいです。

 後半の曲は、大阪に続いて、聴くのは2度目になります。艶やかな音色でとても良かったです。

 それから、譜めくりの方は、ピアノのところに歩いてくるまでに少し時間がかかりますので、おふたりが定位置に来るまでに舞台袖から出てこられるのですが、どの曲の時か忘れましたが、おふたりが舞台に出て次の曲を演奏されるのかな、と思ったら、演奏せずにまた舞台袖に戻っていかれて、その時に譜めくりの方が出てこられていたのに、またひっこまないといけなくなって、笑いがおこっていた時がありました。

 アンコールが終了して、時計を見ると9時25分頃でした。おふたりのソロも聴けて充実した演奏会でした。
(1階1列14番)

2002年11月18日(月)15:00-17:00(ピアノ) 17:00-20:00(フルート) 公開レッスン 会場:電気文化会館イベントホール 
レッスン曲 
・プーランク:ナポリ
・シューマン:フモレスケ

・デュティーユ:ソナチネ
・ヒンデミット:ソナタ
・モーツァルト:フルート協奏曲第2番

 
 まず、ピアノのレッスンからです。おひとりめはプーランクのナポリです。3曲からなる組曲です。
生徒さんが、ピアノの表面をパラパラと指が動くという感じの演奏のしかたでしたので、「手の重みを鍵盤にのせて、演奏してください。そうすると音色が変わるのが分かりますか?」「手の大きさは関係ありません。5本の指をうまく使って、音色に変化を持たせてください。」というお話でした。親指の使い方についてのお話も多かったです。

 第2曲のノクターンでは、「(生徒さんの音が)にわとりの首がしめられているような音に聞えるから、もっとピアノを鳴らして、想像力を持った音を出してください。」

 「曲のこの部分は、この作曲家のイメージを持ってみてください。」というお話も多くて、第1曲ではショパン、第2曲ではプロコフィエフ、第3曲ではスカルラッティのソナタの名前も出てきていました。

 つづいて、シューマンです。
 シューマンはこの曲を書き終わった時に、「今までの作曲した中で、もっとも悲しいと思った曲です。」「精神の深いところから何かがわきでてくるようなイメージで演奏してください。」とのことでした。

 指のことについては、「親指と他の指の2本で弾いているように聞こえるから、5本の指それぞれを独立させて、親指ももっと自由に、手を開いて色彩豊かに表現してください。」

 和音を激しく鳴らすところでは、「音をはずしてもいいから、私のように弾いてください。」という言葉もありました。

 あとは、曲のイメージとしては、「神秘的に」「妄想的に」「空中に浮かぶ感じ」とかいう言葉が出てましたが、私は曲も聞いたことがなくて、楽譜も持っていなかったので、文章にまとめるのが難しいです。

 2曲のレッスンを通しては、ペダルのお話は、ほんの少ししか出なくて、指のお話の方が今回は多かったな、と思います。ピアノは1台でしたので、生徒さんに「かわってください。」と模範演奏をされる時も多くて、けっこうたくさん演奏を聴けたのは良かったです。


 つづきまして、フルートのレッスンです。
 1曲目はデュティーユです。「この曲はヴィルトゥオーゾ的な要素がたくさんつまった曲なので、正しく演奏するだけではなくて、お客さんをびっくりさせるようなパフォーマンスも必要です。また容易に聞こえないとダメです。」

 基本的なこととしては、「息を吸うときに、口をそれほど開かずにシューという感じではなくて、口を大きく開いて吸ってください。」「立ち方は、30度のかたむきで立ってください。」ホールの床にはますめの線がひかれていましたので、パユがフルートを床に置いて「この角度に」立ってください。」とおっしゃっていました。

 「そうすると、両足ともに重心がかかって、音がよく出るようになりました。」「フルートは風で鳴らす楽器で、舌で鳴らすのではありません。」「風で鳴らす、息で鳴らす。」ということは何回も繰り返されていました。

 2曲目はヒンデミットだったのですが、最初からレッスンされなかったこともあり、私にとってはあまりなじみがない曲で、メモをとるにも何をメモしていいか分からない状態でしたので、白紙です。

 3曲目はモーツァルトの協奏曲第2番です。
 この曲の時は、まずはじめに「コメディを演じるつもりで演奏しましょう。」と、パユがくちびるのはしを両手でもちあげて「スマイル、スマイル」とおっしゃいました。「ハッピーな開放的な気持ちで、ピアノとフルートで喜びの受け取りあいをするような、自然に笑顔がでるというような感じで演奏しましょう。」

 「ここのリズムは、エスニック音楽のような感じで。」「pの音こそ、ぐったりした感じにならず、後ろのお客さんにも聞こえるように意識して演奏してください。」というお話もありました。

 やはり公開レッスンには、楽譜を持って行くべきだな、と今回特に思いました。メモはもっといろいろと書きましたけれど、文章にまとめるとなると、どこの部分かがはっきりしないと、書いても意味不明になるので、結局あまり書けませんでした。音を聴くと、「あの時こういうお話をされていたな。」と思い出すのですが、人に文章で伝えるとなると、小節数がいるなと思いました。

 名古屋の公開レッスンもフランス語でした。

2002年11月16日(土)11:00  公開レッスン 会場:大阪フィルハーモニー会館 
レッスン曲 ・プーランク:ソナタ
お楽しみ
ホリガー:無伴奏フルートのためのソナタより
バッハ:無伴奏フルートのためのパルティータよりブーレ

 
 パユが登場されて、「今回は時間的にプーランクの全楽章をみることができると思います。」とおっしゃって、レッスンのスタートでした。

 「92年に新しい版の楽譜が出ましたが、間違いが多い。」というお話でした。この楽譜は出版社が、プーランクはすでにいませんので、ランパルと相談するべきだったのですが、それをせずに、ランパルの初演の演奏を聴いて、それにもとづいて強弱やアクセント記号をつけたので、感心しないところがたくさんあります、とのことでした。

 第1楽章の最初も、新しい版では、mfになっていますが、mpが正しいと思います。(この他にも何個所もここが違うというお話がありましたが、メモをとっていなかったため、記憶があいまいで書けません。)

基本的なお話としては、「フルートを吹くときに、どんな母音をイメージしていますか?」と質問されて、「"あ"のイメージを持ってください。"う"ではせますぎます。共鳴しません。」

 あとは、「1音、1音でくちびるをとじるのは、良くないです。息の流れはまっすぐにあってそのまま吹くこと、音はこもらないように、音は最前列に座っている人だけではなく、遠くに座っている人にも届けるような気持ちで演奏してください。」

 第2楽章のはじまりは、音程を正確にということで、時間が長かったです。この部分で、通訳さんがはじめ「雲・・・」と訳しかけられたのですが、そうではなくて、「温泉の湯気が均等に広がる感じで。」ということでした。

 言葉はフランス語でした。フランス語は、私はさっぱり分かりませんので、少しでも分かるようにしておいた方がいいかな、と思いました。

2002年11月15日(金)19:00  会場:ザ・フェニックスホール 共演:エリック・ル・サージュ(ピアノ)
プログラム ・シューマン:3つのロマンス
・メンデルスゾーン:ソナタ へ長調
・シュルホフ:フルートソナタ
・マルティヌー:フルートソナタ
・リーバーマン:フルートソナタ
アンコール
ライネッケ:ウンディーヌより第2楽章
ボリング:組曲第2番より 8.Jazzy

 
 フェニックスホールでの他のフルーティストのコンサートにも何回か行ったことがありますが、せまいホールなので、パユの響きはどんな感じになるかな、と思いつつ行きました。

 この日のプログラムで一番印象に残ったのは、リーバーマンです。音量が大きい部分では、パユは顔をふくらせて、まっ赤にして、体をそらせて、全身から音を出しているという感じで、圧倒されました。ホールのガラス窓が、音でピキピキと割れるのではないかと思ったほどです。

 ホールが音でふっとんでしまうのではないかと思うような、ものすごい迫力でした。ホールの空間が音ではりつめるような感じがして、ホールの形が感じられるような気がしました。パユは演奏中に歩いたりされるのですが、この曲の時は、足をふみこむ震動が伝わってきました。

 このホールの大きさがどうだったかは別にして、全身から放出される音を、私も全身で受け止めましたという感じで、音のエネルギーを強烈に感じました。リーバーマンの時は、聴いていて汗が出てきました。

 アンコールの1曲目は、ライネッケでした。演奏をはじめようとした時に、譜めくりの方がいなくて、「あれっ」という感じになりましたけれど、ライネッケを演奏していただけて良かったです。ボリングはおふたりのかけあいが面白くて楽しく聴けました。
(1階A列5番)

(2002年11月24日記)


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